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神経科学:腸管の浸透圧変化の検出機構と口渇感の神経表現

Nature 602, 7897 doi: 10.1038/s41586-021-04359-5

摂取された食物や水は、吸収される前に口腔咽頭領域と胃腸管領域の感覚系を刺激する。これらの感覚信号は脳の摂食飲水欲求回路をフィード・フォワード的に修飾する。これまでに、消化管での浸透圧感知が、水摂取時に口渇ニューロンを素早く抑制することが示唆されている。しかし、末梢の感覚ニューロンがどのように消化管にて浸透圧を検出し、喉の渇きを調整するかは未解明である。今回我々は、光学的・電気的記録と遺伝子的手法を組み合わせて、感覚神経節ニューロンの浸透圧応答を可視化した。腸管への低浸透圧刺激は迷走神経の特定の集団を活性化し、これは機械刺激感受性、高浸透圧感受性、栄養素感受性ニューロンとは別の集団だった。我々は、低浸透圧応答が、水と栄養の大部分が吸収される肝門脈域(HPA)に分布する迷走神経求心路を介して上行することを実証する。この領域からの感覚入力を遮断すると、迷走神経の機械刺激応答が残存する一方で、低浸透圧応答が選択的に消失した。前脳の口渇ニューロンからの記録と行動分析から、HPA由来の浸透圧信号はフィード・フォワード的な口渇感の充足と飲水行動停止に必要なことが分かった。注目すべきことに、HPAに分布する求心性迷走神経は、浸透圧自体を感知しているのではなく、これらの応答は水摂取後に放出される血管作動性腸管ペプチドによって部分的に媒介されていた。まとめると、今回の結果から、消化管における低浸透圧感知は迷走神経の重要な感覚機能の1つであり、腸管の浸透圧変化はホルモン信号に変換され、HPA経路を介して口渇神経回路の活動を調節することが明らかになった。

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