Article

計測学:ミリメートルスケールの原子試料にわたる重力赤方偏移の分解

Nature 602, 7897 doi: 10.1038/s41586-021-04349-7

アインシュタインの一般相対性理論では、重力ポテンシャルが異なる所にある時計は、実験室系に対して異なる速さで時を刻むとされており、この効果は重力赤方偏移と呼ばれている。原子時計は、時空を探る基本的手段として、30 cmから数千キロメートルの距離スケールでこの予測を検証するのに長い間役立ってきた。時計が、曲がった時空において振動する量子物体の有限な波動関数の違いを検知できるようになれば、最終的には一般相対性理論と量子力学の統一に関する研究が可能になるだろう。この領域に向けて、今回我々は、極低温ストロンチウムでできた単一のミリメートルスケールの試料の内部で、重力赤方偏移と矛盾しない線形の周波数勾配を測定した。この結果は、分数周波数測定の不確かさを10倍以上改善し、今や7.6 × 10−21に達するに至ったことで得られたものである。今回の結果は、重力摂動に対する試料内補正を必要とする時計動作の新たな領域の先駆けとなる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度