Article

微生物生態学:原核生物遺伝子の生物地理学に向けて

Nature 601, 7892 doi: 10.1038/s41586-021-04233-4

微生物の遺伝子は、地球上の生命の機能的レパートリーの大部分をコードしている。しかし、さまざまな生息地のメタゲノム塩基配列解読の取り組みが増えているにもかかわらず、ヒトの健康と地球の健康に関わる、地球生物圏全体での遺伝子の分布についてはほとんど分かっていない。今回我々は、14の主要な生息地での、公開されている1万3174のメタゲノムから、3億300万個の種レベルの遺伝子(95%のヌクレオチド同一性でクラスタリング)の冗長性のない遺伝子カタログを作成し、これを用いて、ほとんどの遺伝子が単一の生息地に特異的であることを示す。ごく一部の遺伝子は多数の生息地で見られ、抗生物質抵抗性遺伝子や可動性遺伝因子のマーカーであることが多かった。これらの種レベルの遺伝子を3200万のタンパク質ファミリーにさらにクラスタリングすることにより、これらのタンパク質ファミリーのごく一部に大部分の遺伝子が含まれることが分かった(ファミリーのわずか0.6%に遺伝子の50%が含まれる)。種レベルの遺伝子やタンパク質ファミリーの大部分はまれであった。その上、種レベルの遺伝子、特にまれな遺伝子は、正の(適応的な)選択の割合が低いことが分かり、各タンパク質ファミリー内で観察されるほとんどの遺伝的変動が中立あるいはほぼ中立であるとするモデルが裏付けられた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度