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生化学:ヒトSGLT2–MAP17グルコース輸送体の阻害の構造基盤
Nature 601, 7892 doi: 10.1038/s41586-021-04212-9
ヒトのナトリウム–グルコース共輸送体2(hSGLT2)は、腎臓において、濾過されたグルコースの大半を再吸収する役割を担っている。エンパグリフロジンのような小分子経口阻害薬によってhSGLT2を薬理学的に阻害すると、グルコースの尿への排出が促進され、このような阻害は2型糖尿病の治療を目的として血糖値をコントロールするために臨床現場で広く用いられている。今回我々は、エンパグリフロジンと結合した状態のhSGLT2–MAP17複合体のクライオ電子顕微鏡構造を、2.95 Åの全体分解能で決定した。この構造により、真核生物のSGLTに特異的な構造上の特性が明らかになった。MAP17はhSGLT2の膜貫通ヘリックス13と結合しており、エンパグリフロジンは糖–基質の結合部位と外側の前庭部分の両方を占有して、hSGLT2を外向きに開いたコンホメーションに固定することにより、輸送サイクルを阻害している。これらの知見はSLC5Aファミリーのグルコース輸送体の作用機構を理解するための枠組みとなり、また、これらの輸送体を標的とする新しい阻害剤を合理的に設計し、最適化するための基盤となるだろう。

