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物性物理学:相互に対になったモアレバンドに由来する量子異常ホール効果

Nature 600, 7890 doi: 10.1038/s41586-021-04171-1

電子相関とトポロジーは、現代の物性物理学の中心を成す2つのテーマである。半導体モアレ物質は、電子相関研究のための高度に調整可能なプラットフォームをもたらす。これまでに、モット絶縁体、一般化されたウィグナー結晶、ストライプ相、連続モット転移などの、相関によって駆動される現象が実証されてきた。しかし、非自明なバンドトポロジーについては、まだよく分かっていない。今回我々は、AB積層型MoTe2/WSe2モアレヘテロ2層において、量子異常ホール効果を観測したことを報告する。AA積層型ヘテロ2層の場合とは異なり、面外電場は、バンド幅を制御するだけでなく、異なる層を中心とするモアレバンドを相互に対にさせることでバンドトポロジーも制御する。我々は、モアレ単位格子当たり1粒子に相当する1/2バンド充填において、量子化されたホール抵抗h/e2hはプランク定数、eは電子の電荷)と、ゼロ磁場で消失に向かう縦抵抗を観測した。モット絶縁体から量子異常ホール絶縁体への電場誘起トポロジカル相転移は、絶縁体から金属への転移よりも先に起こる。このトポロジカル相転移は、既知の大半のトポロジカル相転移とは異なり、バルクの電荷ギャップの閉鎖を伴わない。今回の研究は、半導体モアレ物質における強相関とトポロジーを組み合わせた影響に起因する創発現象の発見への道を開くものである。

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