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物性物理学:UTe2における超伝導の反強磁性スピンゆらぎに由来する共鳴

Nature 600, 7890 doi: 10.1038/s41586-021-04151-5

超伝導は、超伝導転移温度Tc以下の温度において格子内を抵抗なしに移動できる電子の束縛対(クーパー対)の形成に起因する。大半の超伝導体の電子クーパー対は、全スピンS = 0の反平行スピン一重項を形成するが、S = 1で波動関数のパリティが奇である平行スピン三重項のクーパー対も形成することができる。スピン三重項対形成は、量子計算に関連するトポロジカル状態やマヨラナフェルミオンを伴い得るため、重要である。スピン三重項対形成は通常、強磁性(FM)スピンゆらぎによって媒介されることから、FM不安定性の近傍にあるウラン系材料が、スピン三重項超伝導を実現する理想的な候補と考えられている。実際、Tcが約1.6 KのUTe2は、FM不安定性近傍のカイラルスピン三重項トポロジカル超伝導体の候補として特定されているが、UTe2には反強磁性(AF)スピンゆらぎもある。今回我々は、非弾性中性子散乱(INS)を用いて、UTe2における超伝導が、AF秩序近傍のブリルアンゾーン境界で、共鳴と呼ばれる鋭い磁気励起と結合していることを示す。この共鳴は、これまでAF不安定性近傍のスピン一重項の非従来型超伝導体でしか見いだされていないため、UTe2でのこの共鳴の観測は、AFスピンゆらぎがスピン三重項対形成も誘起し得ること、あるいはUTe2における電子対形成にスピン一重項成分があることを示唆している。

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