分子生物学:真核生物のレプリソーム解離を調節する保存された機構
Nature 600, 7890 doi: 10.1038/s41586-021-04145-3
レプリソーム解離は真核生物のDNA複製の最終段階であり、CDC45–MCM–GINS(CMG)複製ヘリカーゼのユビキチン化によって引き起こされる。これは、種々の真核生物でそれぞれ進化的に異なるE3ユビキチンリガーゼによって行われるが(出芽酵母ではSCFDia2、後生動物ではCUL2LRR1)、レプリソーム解離は、CMGのユビキチン化が複製終了までは複製フォークの崩壊が起こらないように抑制されている、という共通した調節原理により支配されている。最近得られた証拠では、この抑制に複製フォークDNAが関わっていることが示唆されている。しかし、SCFDia2やCUL2LRR1が、伸長中のレプリソームと複製終了したレプリソームをどのように区別して、終了後のCMGだけを選択的にユビキチン化するのかは分かっていない。今回我々は、クライオ電子顕微鏡を用いて、出芽酵母とヒトのレプリソーム–E3リガーゼ集合体の高分解能構造を明らかにした。これらの構造から、Dia2とLRR1のロイシンリッチリピートドメインは構造的に異なるものの、CMG上の共通部位(MCM3とMCM5のジンクフィンガードメインを含む)に結合することが判明した。LRR–MCM相互作用はレプリソーム解離に不可欠で、重要なことに複製フォークにおいて排出されるDNA鎖によって塞がれており、これによって複製終了前のCMGユビキチン化を抑制するための構造的基盤が確立された。これらの結果から、真核生物のレプリソーム解離を調節する保存された機構が明らかになり、レプリソーム完全性の維持にDNAがこれまで予測されていなかった役割を果たしていることが分かった。

