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無機化学:カリホルニウムメタロセンの単離と特性評価

Nature 599, 7885 doi: 10.1038/s41586-021-04027-8

カリホルニウム(Cf)は今のところ、マイクログラム以上の量が入手できる元素の中で最も重い元素である。Cfの同位体は、希少であるとともに放射線障害を引き起こすため、実験が非常に困難である。そのため、5f/6d原子価軌道の結合への関与のしやすさ、電子構造におけるスピン–軌道結合の役割、他のf元素と比較した反応性パターンなどの化学の謎はまだ解き明かされていない。有機金属分子は、周期表上の周期性と結合傾向を解明する際の基礎であり、トリウム(Th)からプルトニウム(Pu)、そして規模は小さいがアメリシウム(Am)までの有機金属によってもたらされた21世紀の再興で、化学の理解が一変した。しかし、それに続くキュリウム(Cm)からCfまでの化学は、1970年代から停滞している。今回我々は、2 mgの249Cfから[Cf(C5Me4H)2Cl2K(OEt2)]nを合成し、特性評価することによって、空気や湿気に敏感なCfの化学を復活させた。この湾曲したメタロセンモチーフは、超ウラン(U)元素についてはこれまで構造的に確認されていなかったもので、そのCf–C結合が、今回初めて結晶学的に評価された。解析の結果、Cf–C結合はおおむねイオン結合性で、共有結合性の寄与は小さいことが示唆された。無色で等電子かつ等構造の[Dy(C5Me4H)2Cl2K(OEt2)]nにおけるジスプロシウム(Dy)の4f軌道に対して、Cfの5f軌道のエネルギーは低く、得られたCf化合物は橙色を呈するが、これはCf化合物が通常淡緑色なのとは対照的である。

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