免疫学:STINGシグナル伝達の持続的なプライミングとブーストはニーマン・ピック病C型を仲介する
Nature 596, 7873 doi: 10.1038/s41586-021-03762-2
STING活性化の典型的な様式は、サイクリックジヌクレオチドである2′3′-サイクリックGMP–AMP(cGAMP)の結合を介したものである。cGAMPは、微生物感染に対する自然免疫応答や自己免疫疾患に重要なDNAセンサーであるサイクリックGMP–AMPシンターゼ(cGAS)によって産生される。cGASに依存しないSTING活性化の様式はあまりよく解明されていない。今回我々は、時空間的に分解された近接依存性標識法によるスクリーニングの後に定量的プロテオミクスを行い、リソソーム膜タンパク質であるNPC1(Niemann–Pick type C1)がSTINGトラフィッキングのコファクターであることを特定した。ヒトとマウスの両方の細胞で、NPC1はSTINGと相互作用して、STINGをリソソームに誘導して分解した。注目すべきことに、Npc1をノックアウトすると、STINGがSREBP2のトラフィッキングと物理的に結び付く(つまり「係留される」)ことで、STINGシグナル伝達が「プライミング」されることが分かった。また、NPC1タンパク質の喪失は、STINGのリソソーム分解を阻止することでSTINGシグナル伝達を「ブースト」した。Npc1−/−マウスにおける重度の神経疾患には、STINGシグナル伝達のプライミングとブーストの両方が必要であった。Npc1−/−マウスの小脳で、Sting1(STINGをコードする遺伝子)あるいはIrf3を遺伝的に欠失させると、ミクログリアの活性化が著しく低下し、またプルキンエニューロン喪失が大きく軽減されて、運動機能の改善につながったが、こうした変化はCgasを遺伝的に欠失させても見られなかった。我々の研究は、cGASやcGAMPに非依存的なSTING活性化の様式が神経病変に影響を及ぼすことを明らかにしており、ニーマン・ピック病C型の治療のための治療標的を示している。

