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腫瘍免疫学:エプスタイン・バーウイルスが誘導する抗腫瘍免疫の機構とその治療での使用

Nature 590, 7844 doi: 10.1038/s41586-020-03075-w

腫瘍関連抗原(TAA)は、ヒトとマウスのがんでT細胞に認識される、変異していない細胞抗原の大きなセットからなる。TAAが免疫療法の標的となる可能性は20年以上にわたって調べられてきたが、TAA特異的T細胞の起源はまだ分かっていない。腫瘍細胞はT細胞をプライミングするTAAの重要な供給源であるかもしれないが、エプスタイン・バー(EB)ウイルスやインフルエンザウイルスのような一部のウイルスへの感染が、異常発現した細胞抗原(TAAとして機能する)に対するT細胞応答を引き起こし得ることが、最近の複数の研究によって示唆されている。しかし、このような応答の細胞的および分子的な基盤は解明されていない。今回我々は、EBウイルスのシグナル伝達タンパク質LMP1のB細胞での発現が、多数のTAAに対するT細胞応答を引き起こすことを示す。LMP1のシグナル伝達は、以前にTAAであることが明らかになっている多数の細胞抗原の過剰発現、それらの主要組織適合遺伝子複合体クラスI(MHC-I)およびクラスII(MHC-II)による(主に内因性経路を介した)提示、共刺激リガンドCD70およびOX40Lの発現上昇につながり、それらによって強力な細胞傷害性CD4+およびCD8+ T細胞応答が引き起こされることが分かった。これらの知見は、感染によって誘導される抗腫瘍免疫の機構を明らかにしている。さらに、がん患者由来の腫瘍B細胞でLMP1を異所的に発現させると、このB細胞はT細胞をプライミングできるようになる。そこで我々は、TAAやネオアンチゲンのような多様な内因性腫瘍抗原に対する自己の細胞傷害性CD4+ T細胞を迅速に産生させ、B細胞悪性腫瘍の治療に使うための一般的な手法を開発した。今回の研究は、ウイルスや腫瘍に対する免疫に関する従来からの概念を再検討する必要性を強く示している。こうした再検討は、ありふれた感染がヒトの健康に及ぼす影響を余すところなく理解し、がん治療のための免疫的手法の合理的設計を改善するために重要であろう。

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