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分子生物学:MeCP2はヘテロクロマチン凝縮物と神経発達疾患を結び付ける
Nature 586, 7829 doi: 10.1038/s41586-020-2574-4
MeCP2(methyl CpG binding protein 2)は、染色体の維持と転写のサイレンシングに重要な構成的ヘテロクロマチンの重要な構成成分である。MECP2遺伝子の変異は、進行性の神経発達障害であるレット症候群の原因となる。レット症候群は小児期早期の女児に見られる疾患で、重度の精神障害と自閉症に似た症状を示す。ヘテロクロマチンはこれまで、密度の高い比較的静的な構造と考えられていたが、現在では液体様の凝縮物と解釈される性質を示すことが分かっている。今回我々は、MeCP2が細胞内のヘテロクロマチン凝縮物の動的な構成要素であり、これがDNAにより刺激されると液体様の凝縮物を形成することを明らかにする。MeCP2には凝縮物の形成に寄与するいくつかのドメインがあり、レット症候群につながるMECP2の変異はMeCP2の凝縮物形成能を失わせることが分かった。MeCP2によって形成される凝縮物は、転写的に活発なユークロマチン凝縮物の構成要素ではなく、ヘテロクロマチンコファクターを選択的に取り込んで濃縮する。MeCP2は凝縮物を区画化する性質を介してヘテロクロマチンとユークロマチンの分離を促すと考えられ、凝縮物の破壊は、レット症候群の原因となるMeCP2変異に共通して見られる結果である可能性がある。

