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保全生物学:サンゴ礁に生息するサメ類の世界の状況と保全の可能性

Nature 583, 7818 doi: 10.1038/s41586-020-2519-y

数十年にわたる乱獲によってサメ類の個体数は激減しており、そのためサメ類の生態学的現状に関しては多くの疑問が残されている。とはいえ、サメ類について知られていることの多くは産業的漁業での漁獲記録から推測されてきたもので、沿岸環境に生息するサメ類について利用可能な情報ははるかに少ない。今回我々は、サンゴ礁に生息するサメ類の保全状況を世界規模で推定するため、58の国と地域の371のサンゴ礁に設置された1万5000以上の標準化された餌付遠隔水中ビデオステーションから得られたデータを用いて、沿岸域のサメ類に関する知識の空白に取り組んだ。その結果、漁業がサンゴ礁のサメ類の個体数に及ぼしてきた深刻な影響が明らかになった。調査したサンゴ礁の20%近くで、サメ類が全く観察されなかったのである。また、サンゴ礁にサメ類がほとんど全く存在しない国も複数あり、サメ類の減少は、最も近い市場の規模やそこまでの距離、管理の不足、人口密度などの社会経済的条件と強く関連していた。しかし、サンゴ礁のサメ類を保全するための機会は残されており、サメ類の保護区、禁漁区、漁獲制限、刺網や延縄の不使用は、サンゴ礁のサメ類の著しく高い相対個体数と関連していた。これらの結果は、直接的なトップダウンの漁業管理から間接的な管理状態の改善まで、サンゴ礁のサメ類個体数の回復および管理のための、いくつかの政策の道筋を明らかにしている。サンゴ礁のサメ類の個体数は、熱帯漁業の重要な社会経済的側面に取り組むことで初めて回復する可能性が高まると考えられる。

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