Article

天文学:南極のドームAでの天文学的なシーイングの夜間測定

Nature 583, 7818 doi: 10.1038/s41586-020-2489-0

シーイングは、大気ゆらぎによってぼやけた星像の視角度の大きさで、可視/赤外波長での天文観測サイトの質の評価に使われる重要なパラメーターである。中緯度の最適なサイトでのシーイングの中央値は、通常0.6〜0.8秒角である。南極高原のサイトは、強固だが薄い接地境界層の上空にある自由大気の比較的弱いゆらぎを特徴とする。ドームCでのシーイングの中央値は、典型的な厚さ30 mの接地境界層の上空において0.23〜0.36秒角と推定されている。ドームAとドームFでのシーイング測定は、これまで昼間にのみ行われてきた。本論文では、DIMM(differential image motion monitor)を用いた、ドームAでの夜間のシーイング測定の結果について報告する。DIMMは地上わずか8 mの高さに位置しながら0.13秒角という小さなシーイングを記録し、その統計値はドームCにおける地上20 mの高さでの値に匹敵した。これは、観測時間の31%で接地境界層が8 mより薄いことを示しており、シーイングの中央値は0.31秒角と、自由大気のシーイングのものと一致する。また、シーイングと接地境界層の厚さは、地表付近の温度勾配と強く相関していることが明らかになった。この相関は、ドームAでの接地境界層の厚さの中央値が約14 mであるとする音波レーダーの結果を裏付けている。薄い接地境界層は、それより高い場所に望遠鏡を設置する難しさを緩和するため、自由大気にさらに容易に達することができる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度