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天文学:金属量が異常に低い球状星団の潮汐破壊による残骸

Nature 583, 7818 doi: 10.1038/s41586-020-2483-6

球状星団は、宇宙で観測されている、束縛された恒星からなる構造の中で最も古いものの1つである。球状星団は大きな銀河の至る所にあり、激しい星形成事象や階層的な構造の形成の痕跡を残していると考えられている。銀河系をはじめとするさまざまな銀河での球状星団の観測では、元素存在量(金属量)が太陽の約0.3〜0.4%以下の球状星団は見つかっておらず、これは「金属量の下限値」を示す証拠とされている。この金属量の下限値の存在は、残存する球状星団が形成されるために必要な最小質量と最大赤方偏移を反映している可能性があり、これらはいずれも、宇宙における質量進化を理解する上で重要な要素である。今回我々は、南天恒星ストリーム分光サーベイ(Southern Stellar Streams Spectroscopic Survey)によって、銀河系のハローに存在する、空間的に希薄で力学的に冷たい、ほうおう座恒星ストリームを観測した結果について報告する。得られたほうおう座ストリームの特徴は、この恒星ストリームが潮汐によって破壊された球状星団の残骸であることと一致する。しかし、その金属量([Fe/H] = −2.7)は、経験的な金属量の下限値を大きく下回る。従って、ほうおう座ストリームは、これまでに発見された中で最も金属量の少ない球状星団のデブリであり、その前駆天体は、局所宇宙に現在見られる球状星団種族とははっきり異なるものである。ほうおう座ストリームの存在は、過去には金属量の下限値を下回る金属量の球状星団もおそらく存在したが、それらは銀河の進化過程で破壊されたことを示唆している。

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