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物性物理学:重フェルミオン金属UTe2におけるカイラル超伝導
Nature 579, 7800 doi: 10.1038/s41586-020-2122-2
スピン三重項超伝導体は、スピンが1で波動関数のパリティが奇の電子対の凝縮体である。トポロジカルに非自明で、マヨラナエッジモードを実現する自然なプラットフォームが得られるカイラルp波状態は、三重項対形成の興味深い発現である。しかし、固体系では三重項対形成はまれで、いかなるバルク化合物においてもこれまで明確には特定されていない。対形成は通常、強磁性スピンゆらぎによって媒介されることを考えると、強相関と磁性の両方を持ち得るf電子元素を含む、ウランに基づく重フェルミオン系は、スピン三重項超伝導を実現する理想的な候補と考えられている。本論文では、超伝導転移温度が1.6 Kという、最近発見された重フェルミオン超伝導体UTe2の走査型トンネル顕微鏡研究について報告する。我々は、1単位胞内において競合する空間変調を示す、近藤効果と超伝導の共存の特徴を見いだした。ステップ端での走査型トンネル分光法によって、トポロジカル超伝導体の境界に存在すると予測されてきたカイラルなギャップ内状態の特徴が明らかになった。UTe2における三重項対形成を示す既存のデータと組み合せると、カイラル状態の存在は、UTe2がカイラル三重項トポロジカル超伝導の有力な候補であることを示唆している。

