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生化学:HPF1はDNA損傷誘導性ADPリボシル化のためにPARP活性部位を完成させる
Nature 579, 7800 doi: 10.1038/s41586-020-2013-6
抗がん剤の標的であるポリADPリボースポリメラーゼ1(PARP1)とそれに近縁のホモログPARP2は、ヒト細胞でのDNA損傷の初期応答因子である。これらの酵素はゲノム損傷部位に結合した後、NAD+を使って多数のタンパク質をモノADPリボースシグナルおよびポリADPリボースシグナルにより修飾する。こうした修飾は、続いて起こるクロマチンの脱凝縮と修復因子の誘導に重要である。このような翻訳後修飾は主にセリンに対して起こり、補助因子HPF1を必要とする。HPF1はDNA損傷応答特異的で、PARP1とPARP2のアミノ酸特異性をアスパラギン酸やグルタミン酸からセリン残基へと切り替える。今回我々は、PARP2の触媒ドメインに結合した状態のHPF1の構造について報告する。この構造とNMRデータおよび生化学的データを組み合わせたところ、HPF1とPARP1(あるいはPARP2)の残基から形成された混成状態の活性部位が明らかになった。この触媒中心の組み立ては、ヒト細胞でのDNA損傷後に起こるADPリボース部分の付加に必須である。DNA損傷応答やNAD+結合部位の占有に応じて、PARP1(もしくはPARP2)とHPF1の相互作用は、PARPタンパク質内で作動するアロステリックなネットワークにより増強され、これによってDNA損傷応答の誘導の調節レベルが一段上がる。HPF1はPARP1(もしくはPARP2)と共同の活性部位を形成しているので、我々のデータはHPF1が臨床で使われるPARP阻害剤への応答の重要な決定因子であることを示している。

