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がん:Gboxinはグリオブラストーマを標的とする酸化的リン酸化阻害剤である

Nature 567, 7748 doi: 10.1038/s41586-019-0993-x

がん細胞が持つ固有の代謝要求を反映したがん特異的阻害剤は、ほとんどない。本論文では、マウスとヒトの原発性グリオブラストーマ(神経膠芽腫)細胞の増殖を特異的に阻害するが、マウスの胚性繊維芽細胞や新生仔のアストロサイトの増殖は阻害しない低分子Gboxinについて報告する。Gboxinは、グリオブラストーマ細胞の酸素消費を急速かつ不可逆的に抑制する。Gboxinは自身の正電荷を利用して、ミトコンドリア内膜のプロトン勾配に依存した様式でミトコンドリアの酸化的リン酸化複合体に結合し、F0F1 ATPアーゼの活性を阻害する。Gboxin抵抗性細胞は正常に機能するミトコンドリア膜透過性遷移孔を必要とし、これがpHを調節してミトコンドリアマトリックスへのGboxinの蓄積を妨げる。また、代謝的に安定なGboxin類似体を投与すると、グリオブラストーマの同種移植片や患者由来異種移植片が抑制された。Gboxinの毒性は、さまざまな臓器を起源とする樹立されたヒトがん細胞株に対しても有効であり、がん細胞のミトコンドリアのプロトン勾配強化とpH上昇が、抗がん剤開発の標的となり得る作用機序であることが明らかになった。

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