Letter
量子物理学:エンタングルメントに基づく波長多重化量子通信ネットワーク
Nature 564, 7735 doi: 10.1038/s41586-018-0766-y
量子鍵配送は、実世界のシナリオに展開するのに必要な成熟レベルに達している。量子鍵配送は、古典通信と同一の光通信ファイバーで同時に、またファイバーリンクや自由空間リンクで長い距離にわたって行われたことが、これまでに示されている。こうした進展にもかかわらず、量子鍵配送の実装とプロトコルの大半は2者間の通信に限定されているため、実用的適用性は制限されている。量子ネットワークは、量子鍵配送プロトコルの利点を2者以上の離れたユーザーへと拡大する。本論文では、単一のエンタングル光子源が多数のユーザーへ、それぞれのユーザーに必要なリソースを最小にしながら量子状態を配送する、完全に接続された量子ネットワークアーキテクチャーを示す。さらにこの量子ネットワークは、2者間通信方式に比べて安全性や機能性が犠牲になることはない。我々は、12本の波長チャネルへ多重化される単一の2体偏光エンタングルメント光源を使って、今回の方法の実現可能性を実証する。次に、ユーザー当たり1本のファイバーと1個の偏光解析モジュールのみを使って、完全に接続されたグラフの4者のユーザーの間に6つの状態を配送した。ユーザーを追加するのにエンタングル光源の調整を必要としないため、このネットワークは容易に多数のユーザーに拡大でき、光源のプロバイダーを信頼する必要がない。能動的な光スイッチに基づくためにデューティサイクルに制限されるこれまでのマルチユーザーネットワークの試みとは異なり、今回の実装は完全に受動的であるため、これまでにない量子通信速度が得られる可能性がある。

