Letter
材料科学:二次元Fe3GeTe2におけるゲート制御可能な室温強磁性
Nature 563, 7729 doi: 10.1038/s41586-018-0626-9
現代のナノエレクトロニクスデバイスの開発は、材料研究によって推進されてきた。特に、新しい磁性材料の特定がデバイスの性能と設計を向上させるカギとなるため、磁性薄膜の研究によってスピントロニクスデバイスに大変革がもたらされている。ファンデルワールス結晶は、単層になるまで化学的安定性と構造的完全性を維持しており、原子レベルの薄さになると、さまざまな種類のゲート変調による制御が容易になる。最近の実験では、低温で絶縁性のCr2Ge2Te6やCrI3において二次元強磁性秩序が生じ得ることが実証された。今回我々は、層状の金属磁性体Fe3GeTe2を用いて、磁気輸送を調べるためのデバイス作製技術を開発するとともに、単層の単離を行った。Fe3GeTe2では、単層になるまで遍歴強磁性が持続し、面外磁気結晶異方性を示すことが見いだされた。その強磁性転移温度Tcは、205 Kという元のFe3GeTe2薄片のバルクTcと比較すると、抑えられている。しかし、イオンゲートによってTcが室温まで上昇し、これはバルクTcよりはるかに高い。今回の二次元Fe3GeTe2におけるゲート制御可能な室温強磁性は、原子レベルで薄いファンデルワールス結晶に基づく電圧制御型磁気エレクトロニクスを実現する機会を開くものである。

