地球科学:北米ハイプレーンズの景観の過渡的性質とその地表水への影響
Nature 561, 7724 doi: 10.1038/s41586-018-0532-1
乾燥気候における生態系の多様性と人間の活動は、降雨の規模だけでなく、景観が水分を保持する能力にも依存している。これは、現在と過去の気候が半乾燥的であるにもかかわらず水文条件が多様な、北米のハイプレーンズにおいて如実に示されている。ロッキー山脈を水源とし、高原を流れる大規模河川では、河川流域は限られているが短期間のみ存在する(季節性の)プラヤ湖の形で広範にわたる地表水が存在し、オガララ累層のハイプレーンズ帯水層に大量の地下水が蓄えられている。本論文では、現在のハイプレーンズの景観は過渡的な状態にあり、河川網の効率が低い古い地域と、より年代が新しく効率の高い河道網に分かれていて、新しい河道網が徐々に古い地域を飲み込んでいることを示すモデルと、それを裏付ける証拠を提示する。古い景観は、かつてハイプレーンズ全体を覆っていたオガララ累層の堆積物が残ったもので、これがその前に存在した河川網を埋めて、ハイプレーンズを事実上「再舗装」した堆積物の扇状地を形成している。現在我々は、景観を切り裂き、流路を争奪し、こうした堆積物の扇状地を侵食しながら新たな河川網が形成されるのを目の当たりにしている。我々は、河川網の形状の定量的な解析に基づいて、河川網の再配置がどのようにして、最大河川が古い地表面に切り込み、ロッキー山脈に近い扇状地の扇頂部を除去し、扇状地の末端を侵食したが、扇状地の中央部の地表とオガララ累層の堆積物をほぼそのままに残した侵食の独特なパターンを形成したのかを示す。こうした保存された扇状地の地表は、地表水の流量が少ないため、湿地や地下水を涵養する水を一時的に保持している。今回の知見は、地表の水文とそれに関連する生態系は、100万年の時間スケールでの過渡的な特徴であり、景観の発達のモードを反映していることを示唆している。

