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ゲノミクス:体細胞変異から推定されたヒトの正常血液の細胞集団動態
Nature 561, 7724 doi: 10.1038/s41586-018-0497-0
造血幹細胞は血液産生を駆動するが、造血幹細胞の集団サイズや寿命の動態はこれまでヒトでは直接定量されていなかった。今回我々は、健康な59歳男性1名から採取した、単一細胞に由来する造血幹細胞や造血前駆細胞の140のコロニーにおいて、ゲノム規模で自然に生じた12万9582の体細胞変異を特定し、集団遺伝学的手法を適用してクローン動態を再構築した。その結果、系統樹において初期の胚形成からの細胞分裂が明確に示され、全ての血液細胞は原腸形成前から存在する共通祖先に由来していることが分かった。この幹細胞集団のサイズは若年期に着実に大きくなり、青年期までに安定したプラトーに達した。5万~20万個の造血幹細胞が、常時活発に白血球を産生していると推定された。成人の造血幹細胞クローンが、顆粒球やBリンパ球といった多数の細胞系譜の細胞を生み出すことが観察された。自然に生じる変異を利用して、ある器官のクローン構造を明らかにすることによって、ヒトにおける体細胞の動態を高分解能で再構築できる。

