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免疫学:ウイルスを用いないゲノムターゲッティングによりヒトT細胞の機能と特異性を再プログラム化する

Nature 559, 7714 doi: 10.1038/s41586-018-0326-5

治療を目的として、組換えウイルスベクターを用いて遺伝的にT細胞を再プログラム化することを目指して数十年にわたり研究が行われてきたが、ウイルスベクターでは導入遺伝子を標的とする特定のゲノム部位に挿入できない。ウイルスベクターは作製や試験に時間がかかって高価であるため、ウイルスベクターの必要性により研究や臨床使用が遅れてきた。ゲノム編集は、相同組換え修復を用いて、大きな導入遺伝子を標的細胞に特異的に効率よく挿入するという期待をもたらした。今回我々は、ウイルスベクターを必要としないCRISPR–Cas9ゲノムターゲッティング系を開発し、初代ヒトT細胞の生存度と機能を保持したまま、そのゲノムの特定部位に大きなDNA塩基配列(1 kb以上)を迅速かつ効率的に挿入できたことを報告する。これにより内因性遺伝子の個々の変更あるいは多重の変更が可能になる。最初に、この戦略を適用して単一遺伝子性自己免疫疾患の患者の細胞で病原性IL2RA変異を修正し、シグナル伝達機能が改善されることを実証した。次に、内因性のT細胞受容体(TCR)座位を、T細胞をあるがん抗原を標的とするよう再指示する新しいTCRに置換した。この結果得られた改変TCRを持つT細胞は、in vitroおよびin vivoで特異的に腫瘍抗原を認識して、有効な抗腫瘍細胞応答を開始した。総合的にこれらの研究から、ウイルスを用いないゲノムターゲッティングにより、初代ヒト免疫細胞の迅速で柔軟な実験的操作や治療工学が可能になり得るという前臨床的証拠が示された。

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