複雑ネットワーク:芸術、文化、科学のキャリアにおけるホットストリーク
Nature 559, 7714 doi: 10.1038/s41586-018-0315-8
「勝利がさらなる勝利を生む」と大まかに定義されるホットストリークは、ある個人が普段よりもかなり良好な成績を上げている特定の時期を指す。ホットストリークについてはスポーツ、ギャンブルおよび金融市場において過去数十年に広く議論されてきたが、それが個々のキャリアにも当てはまるのかどうかはほとんど分かっていない。今回我々は、創造性のライフサイクルに関する豊富な文献に基づいて、個々の芸術家、映画監督および科学者の広範なキャリア経歴を収集し、それぞれが生み出した芸術作品、映画および科学論文を追跡した。その結果、その3領域の全てにわたり、1人のキャリアにおける傑作群には高度な時間的規則性が認められ、各キャリアはインパクトの高い成果物が連続的に生まれるという特徴を持つことが分かった。我々は、こうした観察結果が単純なホットストリークモデルによって説明可能であり、それによって個々のキャリアを支配するホットストリーク現象を定量的に調べられることを示す。この現象は、多様な領域にわたって極めて一般的なものであることが明らかになった。ホットストリークは普遍的に見られるが、通常はそれぞれのキャリアで独特である。ホットストリークは、個人の成果物が生まれる時間的流れの中でランダムに出現し、ある期間に集中して起こり、生産性におけるいかなる検知可能な変化も伴わない。ホットストリーク期間中に生み出される成果物は他の時期よりもかなりインパクトが強いため、ホットストリークを発見することで個人の全体的インパクトが基本的に推進され、これを無視すればキャリアの将来のインパクトを意図的に過大または過小評価することにつながることが分かった。以上の結果は、個々の考案品および成功を支配するパターンに関する定量的理解を深めるのみならず、成果物が永続的なインパクトを持つことになる個人を特定して育成する上でも意味があるかもしれない。

