Letter
化学合成:機械学習で有機合成ロボットを制御して新しい反応性を探索する
Nature 559, 7714 doi: 10.1038/s41586-018-0307-8
化学反応の発見は、元来予測不可能で時間のかかるプロセスである。魅力的な代替方法は反応性を予測することだが、コンピューターを使った反応設計などの関連手法はまだ緒に就いたばかりである。高度な量子化学的手法に基づく反応予測は、単純な分子に関するものであっても、複雑である。機械学習は、データ解析には有効であるが、化学への応用はまだ発展途上である。我々は、化学者の直観に基づく戦略に着想を得て、機械学習アルゴリズムに制御された反応系が、特に専門家による訓練を受けた場合に、迅速に化学反応空間を探索できる可能性があると提唱する。本論文では、手作業で行うよりも迅速に化学反応と分析を行うことができ、少数の実験を実施した後に可能性のある試薬の組み合わせの反応性を予測して、化学反応空間を効果的に探索できる有機合成ロボットについて報告する。反応は、化学的入力の2進コード化によって可能になった意思決定機械学習を用いることによって、核磁気共鳴法と赤外分光法でリアルタイムで評価できる。この機械学習システムは、データセットの10%強の結果を検討した後、約1000通りの組み合わせの反応の反応性を、80%を超える正確度で予測できた。また、この手法を用いて、公開データセットの反応性も計算することができた。さらに、化学者が今回のロボットのリアルタイムデータを用いてこうした予測を手作業で調べたところ、4つの反応が発見された。

