Article
撮像技術:深サブオングストロームの分解能に達する二次元材料の電子タイコグラフィー
Nature 559, 7714 doi: 10.1038/s41586-018-0298-5
収差補正光学によって可能になった原子分解能の電子顕微鏡は、ナノスケール構造を特性評価するための汎用的でしばしば不可欠なツールとなっている。従来、画像の分解能は、レンズの開口数(α)を大きくしビームエネルギーを高めることによって改善されており、最先端の300 keVの電子顕微鏡はこの方法で深サブオングストローム(すなわち0.5 Å未満)の領域へ入りつつある。二次元(2D)材料は、大きな運動量移行による変位損傷を避けるため、より低いビームエネルギーで撮像されるので、空間分解能は約1 Åに制限されている。今回我々は、透過電子の完全な分布を記録するのに必要なダイナミックレンジを有する電子顕微鏡ピクセルアレイ検出器と、全位相空間からの位相情報を復元する全フィールドタイコグラフィーを組み合わせることによって、空間分解能を、従来の開口数で制限される分解能を大きく上回るまでに向上させた。80 keVのビームエネルギーでのタイコグラフィック再構成によって、従来の撮像法では0.98 Åにしか届かない電子線量と撮像条件で、MoS2中の単原子欠陥の画像のコントラストがかなり向上し、5αに近い情報限界に達した。これは、アッベの回折限界分解能の0.39 Åに相当する。

