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心血管生物学:冠動脈を形成する初期の前駆細胞の単一細胞解析

Nature 559, 7714 doi: 10.1038/s41586-018-0288-7

動脈と静脈は、拮抗する転写プログラムによって指定されている。しかし、発生と再生の際に、既存の静脈から新しい動脈が生じることがあり、この細胞運命転換の過程はほとんど解明されていない。今回我々は、単一細胞RNA塩基配列解読法とマウスの遺伝学を使って、発生中の心臓の静脈細胞が、早期の細胞運命の切り換えを経て動脈前駆細胞集団を構成し、その後この集団から冠動脈が生じることを明らかにする。静脈細胞では、段階的かつ同時に静脈から動脈への運命の切り換えが進み、やがてその一部が転写の閾値を超え、動脈前駆細胞状態に達した。冠動脈に血液が流れ始める前に、未成熟な血管網に動脈前駆細胞が現れるが、この細胞は成熟動脈マーカーを発現し、細胞周期の進行が抑制されていた。静脈を指定する転写因子COUP-TF2(別名NR2F2)は、細胞周期遺伝子を誘導することにより、血管網細胞が動脈前駆状態の閾値を超えるのを妨げた。このように、静脈由来の冠動脈は、COUP-TF2や細胞周期因子を介した阻害から解放されると、血流とは無関係に分化できる動脈前駆細胞により形成される。

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