Letter

量子物理学:大きな機械振動子の安定化されたエンタングルメント

Nature 556, 7702 doi: 10.1038/s41586-018-0038-x

量子エンタングルメントは、系の間に任意に大きな距離の隔たりがあっても、互いを独立には記述することができない現象である。エンタングルメントは、確かな理論的・実験的基盤を持ち、量子コンピューテーション、暗号学、計測学を含む多くの新しい量子技術を支える重要なリソースとなっている。エンタングルメントは、光子、イオン、電子スピンなどが関与する微視的スケールの系で、もっと最近ではマイクロ波デバイスや電気機械的デバイスにおいて実証されている。しかし、巨視的スケールの物体の場合、エンタングルメントが環境擾乱の影響を非常に受けやすく、巨視的スケールの物体の質量中心運動のエンタングルメントの生成と検証という目標は、まだ実現されていない。今回我々は、それぞれ1012個の原子で構成される2つの大きな微小機械振動子を運動物体として用い、これらの振動子をマイクロ波周波数電磁共振器と結合させ、これを用いて質量中心運動のエンタングルメントを生成し安定化することで、そうした実験的実証を行ったことを報告する。我々は、相関した機械的変動の測定と共振器から放出されるマイクロ波の解析を組み合わせて、定常状態のエンタングルメントの存在を推測する。今回の研究は、エンタングルした物理系の範囲を定性的に拡張し、量子情報処理、精密測定、量子力学の限界の検証に影響を及ぼすものである。

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