Letter

生物工学:in vivoにおけるT細胞–樹状細胞間の相互作用を、酵素を介した標識の細胞間移動により観察する

Nature 553, 7689 doi: 10.1038/nature25442

異なるタイプの細胞間の相互作用は、免疫、胚発生やニューロンでのシグナル伝達など、多数の生物学的過程に不可欠である。細胞と細胞の間の相互作用の動態は生体内顕微鏡法によってin vivoで観察できるが、この方法では相互作用に関わっている受容体とリガンドについての情報は得られず、また相互作用している細胞を下流への影響を解析するために単離することもできない。本論文では、生きているマウスで、免疫細胞のシナプスを越えて移動する細胞標識を細菌のソルターゼAを介して形成させる相補的な方法について報告する。この方法では、後にフローサイトメトリーによってex vivoで検出可能なシグナルが形成されるため、細胞間の受容体–リガンド相互作用を明らかにできる。免疫細胞間の「キス・アンド・ラン」相互作用に標識を付けるこの方法を、我々はLIPSTIC(Labelling Immune Partnerships by SorTagging Intercellular Contacts)と呼ぶ。LIPSTICを使って、T細胞プライミングの際の樹状細胞とCD4+ T細胞の相互作用が異なる2つの様式によって起こることがin vivoで明らかになった。すなわち、初期の抗原特異的段階では、CD40–CD40L相互作用がT細胞と抗原を搭載した樹状細胞との間で特異的に生じる。そして、その後の非抗原特異的段階では、このような相互作用にT細胞受容体が事前に関わっている必要がなくなる。従って、LIPSTICを用いれば、in vitroin vivoの両方で、動的な細胞間相互作用の直接測定が可能となる。多様な受容体–リガンド対および検出可能な多様な標識に対応できるというLIPSTICの順応性を考えると、生物学で細胞間コミュニケーションの定量的測定を必要とする研究分野ならばどのようなものであっても、この方法は役に立つだろう。

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