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酵素機構:真核生物の膜内RASメチルトランスフェラーゼICMTの原子構造

Nature 553, 7689 doi: 10.1038/nature25439

RAS GTPアーゼ、またその他の約200種に上る細胞内CAAXタンパク質の成熟には、3段階の酵素反応が関わっている。それらは、C末端のCAAXモチーフ中のシステイン(C)へのファルネシルまたはゲラニルゲラニルプレニル脂質の付加、タンパク質分解によるAAX残基の除去、露出したプレニルシステイン残基の末端カルボン酸のメチル化である。この最終段階を触媒するのが、小胞体に存在する真核生物特異的な膜内在性酵素イソプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ(ICMT)である。ICMTは、プレニルシステイン基質をメチル化することが知られている、細胞で唯一の酵素である。このような基質の生物学的機能、例えばRASやプレラミンA、RABの膜への局在やその後の活性にはメチル化が重要である。ICMTの阻害は、早老症やがんの治療法になる可能性がある。今回我々は、補因子であって規則的構造を持つ脂質分子とモノボディ阻害剤との複合体を形成したICMTの2.3 Å分解能でのX線構造を報告する。活性部位は細胞質内領域と膜内に露出した領域にまたがっており、細胞質中のメチル基供与体であるS-アデノシル-L-メチオニンと、小胞体膜に結合しているプレニルシステイン基質とでは、進入経路が異なることを示している。この構造は、細胞内での存在場所の異なる2種類の反応物質を膜環境内で一緒にするというトポグラフィー的にもエネルギー論的にも難しい問題をICMTがどのように克服しているかを示唆している。こうした性質は、詳しく解明されてはいないにしても、多くの膜内在性酵素で明らかな特徴である。

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