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発生生物学:EZH1による胚での造血多能性の調節

Nature 553, 7689 doi: 10.1038/nature25435

哺乳類の成体の血液中を循環する全ての造血細胞系譜は、多能性の造血幹細胞(HSC)に由来する。対照的に、哺乳類の胚の血液中では最初に、細胞系譜が限定された前駆細胞が、妊娠後期になってから出現するHSCとは独立に生じる。マウスで最もよく明らかになっているように、「一次」前駆細胞は、交配後7.5日で卵黄嚢に最初に出現する。次に、胎仔ヘモグロビンを発現する赤血球骨髄系前駆細胞が、胎仔リンパ系前駆細胞とともに、卵黄嚢と胚本体で発生するが、これらの細胞にはHSCの能力はない。最終的に、長期にわたって複数の細胞系譜を生み出す能力を持ち、放射線照射を受けた成体に生着できる「二次」HSCが、交配後10.5日に大動脈–生殖器–中腎(AGM)領域の動脈内皮や他の造血能を持つ血管構造から出現する。この造血系発生の逆進行の分子機構は解明されていない。我々は、二次造血プログラムは初期胚形成ではエピジェネティックなサイレンシングにより能動的に抑制されている可能性があり、この抑制が緩和されると、細胞系譜が限定されていた造血系前駆細胞に多能性が誘導されるという仮説を立てた。今回我々は、ポリコーム群タンパク質のEZH1の発現を低下させると、ヒト多能性幹細胞からの複数の種類のリンパ系細胞の出現が促されることを示す。さらに、マウス胚におけるEzh1欠損はin vivoで機能する二次HSCの早期出現を引き起こした。従って、EZH1は哺乳類の初期胚における造血多能性の抑制因子であることが分かった。

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