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構造生物学:βクロトーの構造から判明した、内分泌型FGFシグナル伝達の「郵便番号」に似た機構
Nature 553, 7689 doi: 10.1038/nature25010
古典的な繊維芽細胞増殖因子(FGF)は、パラクリン機構またはオートクリン機構を介してFGF受容体(FGFR)を活性化する。この過程には、FGFR活性化の補助受容体として機能するヘパラン硫酸プロテオグリカンの協調作用が必要である。これに対し、内分泌型FGF(FGF19、FGF21、FGF23)は、さまざまな組織で重要な代謝過程を調節する血中ホルモンである。FGF19は胆汁酸の生合成および脂質生合成を調節するのに対し、FGF21はインスリン感受性やエネルギー消費を亢進させ、体重減少を促進する。内分泌型FGFもFGFRを介してシグナルを送るが、それには縦列したグリコシダーゼドメインを持つ細胞表面タンパク質であるクロトーが必要である。今回我々は、遊離状態とリガンドに結合した状態のβクロトーの細胞外領域の結晶構造を提示する。これらの構造から、FGF21のβクロトーに対する特異性の根底にある分子機構が明らかになり、FGFRがクロトー依存的な様式で活性化される仕組みが分かった。βクロトーは、FGF21の標的シグナルとして働く「郵便番号」に似た一次受容体として作用し、FGFRは細胞内シグナル伝達を仲介する触媒的サブユニットとして機能する。これらの構造はまた、糖鎖を切断する酵素であるグリコシダーゼがどのように進化して、血糖値を低下させるなどといった代謝過程を制御するホルモンに特異的な受容体になったかも明らかにしている。さらに我々は、生物活性が増強したFGF21のアゴニスト変異体について報告し、内分泌型FGFが関連する疾患の将来的な治療薬開発に向けて構造的手掛かりを提示する。

