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遺伝学:単一細胞でのタンパク質状態の遺伝的配線地図が明らかにするGPCRシグナル伝達のオフスイッチ

Nature 546, 7657 doi: 10.1038/nature22376

タンパク質の活性や存在量は、生物学的機能の重要な実行要因として、全体にわたって詳細な調節を受けている。この調節の基礎となる遺伝的構造の解明は、細胞のシグナル伝達事象や環境からの合図への応答を理解する上で重要である。我々は、ヒト半数体細胞でのランダムな変異誘発を使い、感度の高い方法を適用して個々の細胞でのゲノム変異とタンパク質の測定値とを直接結び付けている。本論文ではこの手法を用いて、転写誘導、タンパク質の量やスプライシングの調節、シグナル伝達カスケード[マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路、Gタンパク質共役受容体(GPCR)経路、プロテインキナーゼB(AKT)経路、インターフェロン経路、WNT(Wingless and Int-related protein)経路]、エピジェネティック修飾(ヒストンのクロトニル化やメチル化)などの一連の細胞過程を調べた。塩基配列解読に基づくこの拡張性のある手法により、タンパク質の状態を制御する遺伝的全体像が解明され、また、非常に狭い範囲の表現型に影響する遺伝子や、広範な表現型に影響する遺伝子が見つかった。このようにして作製した遺伝的配線地図によって、E3リガーゼ基質アダプターKCTD5が、がんで脱調節していることの多い重要なシグナル伝達カスケードのAKT経路の負の調節因子であることが突き止められた。KCTD5欠損細胞では、S473がリン酸化されたAKTのレベルが上昇していたが、これはカノニカルな経路の構成要素への影響に起因するものではないようだった。この表現型についての遺伝学的要件を明らかにするために、遺伝子ノックアウトを作製し、AKT活性と連結した調節ネットワークを繰り返し解析した。遺伝的修飾因子のこうしたスクリーニングからKCTD5表現型の抑制因子が明らかになり、KCTD5がGαサブユニットから解離したGβγヘテロ二量体のタンパク質分解を開始させることで、GPCRシグナル伝達のオフスイッチとして機能するという機構が実証された。これまでの生物学的ネットワークは、遺伝子発現、タンパク質間の会合、あるいは遺伝学的相互作用のプロファイルを基盤として構築されてきたが、今回報告した手法は、タンパク質の量的状態に基づくヒト細胞の包括的な遺伝的配線地図の作製を可能にすると我々は考える。

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