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がん:B細胞受容体はGSK3βの阻害を介してMYC誘導性リンパ腫細胞の適応度を制御する

Nature 546, 7657 doi: 10.1038/nature22353

休止成熟B細胞でB細胞抗原受容体(BCR)が細胞生存を制御しているのと同様に、ほとんどの成熟B細胞リンパ腫でも、細胞表面でのBCRの発現は保存されている。活性化型BCR変異が見つかり、特定のリンパ腫細胞でBCRノックダウンを行うと増殖が損なわれることから、BCRシグナル伝達が腫瘍細胞の生存に必要であると考えられている。その結果、BCRシグナル伝達機構は、B細胞悪性腫瘍の確立した治療標的となっている。今回我々は、マウスMYC誘導性B細胞リンパ腫におけるBCR除去の影響を調べ、ヒトのバーキットリンパ腫での観察結果と比較した。BCRを除去しただけではリンパ腫の増殖に顕著な影響を及ぼさないものの、BCRを発現する(BCR+)腫瘍細胞が存在する場合には、in vitroおよびin vivoで、BCR陰性(BCR)の腫瘍細胞は急速に消失した。これには、BCR+腫瘍細胞との接触も、BCR+腫瘍細胞から放出される因子も必要でない。しかし、BCRの喪失は主要な炭素代謝経路のつなぎ替えを引き起こし、受容体を持たないリンパ腫細胞の栄養制限に対する感受性を増加させる。BCRは、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3β(GSK3β)の活性を低下させて、MYCが制御する遺伝子発現を助ける。BCR腫瘍細胞では、GSK3β活性の増加が見られ、GSK3β阻害によって競合増殖に不利な状態から救済される。競合適応度を回復させるBCRリンパ腫のバリアントは、通常はRas変異を介して、MAPK経路の構成的活性化の後にGSK3β活性を正常化する。バーキットリンパ腫でも同様に、活性化型RAS変異は、通常は腫瘍量のごく一部にすぎない免疫グロブリンが異常になった腫瘍細胞を増殖させることがある。従って、BCRの発現はリンパ腫細胞の適応度を上昇させるが、BCRを標的とした治療はBCR腫瘍細胞を標的とした治療薬と組み合わせることが有益と思われる。

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