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古人類学:モロッコのジェベル・イルード由来のヒト族化石の年代および中期石器時代の起源

Nature 546, 7657 doi: 10.1038/nature22335

ヒトの出現や、関連する行動変化の起きた時期や場所は、ヒト進化を理解する上で極めて重要である。現代型のホモ・サピエンス(Homo sapiens)とされている最古の化石は、アフリカ東部に由来する約19万5000年前のものであり、従って現生人類の生物学的特徴の出現も一般に約20万年前と考えられている。一方、中期石器時代最古の標本群はアフリカの東部および南部に由来するが、それらの年代ははるかに古い。今回我々は、モロッコのジェベル・イルードの中期石器時代の遺跡で新たに発掘された、被熱痕跡のあるフリント石器について、熱ルミネッセンス年代測定法で年代を決定した。これらの石器は、新たに発見されたホモ・サピエンスの遺骸と直接の関連がある。これらの中期石器時代の石器および化石の加重平均年代は、31万5000 ± 3万4000年前であった。ジェベル・イルードで以前発見されたヒト族化石標本イルード3の下顎に由来する歯について、ウラン系列法と電子スピン共鳴法の組み合わせで再計算を行ったところ、28万6000 ± 3万2000年という今回の結果を裏付ける年代が得られた。これらの年代はまた、動物相および微小動物相の証拠とも一致し、以前この堆積層の下位部について推定された年代のほぼ2倍の古さとなる。アフリカ北部のジェベル・イルード遺跡には、直接的な年代測定が行われた中期石器時代標本群の最古のものの1つが含まれており、関連するヒトの遺骸はホモ・サピエンスとしてはこれまで報告された中で最古のものである。ヒトの出現および中期石器時代の始まりは時間的には近いようであり、今回のデータはこれら2つが共に大規模な、おそらくは汎アフリカ的な起源を有することを示唆している。

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