Article

気候科学:日射量のどの変動周期が間氷期をもたらしたかを決める単純な法則

Nature 542, 7642 doi: 10.1038/nature21364

第四紀(過去260万年間)における氷期–間氷期サイクルは、天文学的な要因によって駆動される高緯度域の日射量の変化によって調整されている。しかし、天文学的な強制によって、観測される一連の間氷期がどのように生じるかはよく分かっていない。本論文では、100万年前以前には、約4万1000年ごとに夏季の日射量に関連するエネルギーが単純なしきい値を超えたときに、間氷期が生じていたことを示す。過去100万年間については、こうした日射量のピークが退氷期をもたらしたことはより少なく(つまり、より多くの日射のピークが「飛び越された」)、これは退氷のエネルギーしきい値が高くなり、氷期の長期化につながったことを示唆している。しかし、氷期が長期化するにつれて、退氷に必要なエネルギーは減少する。こうした観測結果を組み合わせた統計モデルによって、過去100万年の完全な退氷が全て正確に予測され、実際に生じた一連の間氷期はさまざまな可能性の一部であることが示された。このモデルは、第四紀初期においては黄道傾斜角によって調整される氷期–間氷期サイクルが支配的だったことと、このサイクルの頻度が約100万年前に変化したことを説明している。我々は、過去100万年間により大きな氷床が出現したのは、退氷のしきい値が高くなり、飛び越された日射量のピークの数が増えた結果であることを提案する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度