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がん:PTEN欠失がんにおけるクロマチンリモデリング因子CHD1の合成必須性

Nature 542, 7642 doi: 10.1038/nature21357

合成致死性と付随的致死性は、がん抑制遺伝子を欠失したがんで治療標的を明らかにするために用いられる、よく有効性の実証された2つの概念的戦略である。本研究で我々は、がんゲノムで相互排他的な欠失パターンをスクリーニングすることにより、合成致死相互作用候補を見つけ出す手法を検討した。我々は、一部のがんで時折欠失が見られるが、特定のがん抑制遺伝子が欠失した状況では、ほぼ必ず保持されている「合成必須」遺伝子を明らかにすることを試みた。また我々は、このような合成必須遺伝子は、特定のがん抑制因子が欠失しているがんの治療標的にもなるだろうと考えた。既知の合成致死相互作用に加えて、この手法により、CHD1(chromatin helicase DNA-binding factor 1)が、PTEN欠失がんにおける推定的な合成必須遺伝子であることが明らかになった。PTENを欠失した前立腺がんや乳がんでは、CHD1を枯渇させると細胞増殖、細胞生存および腫瘍形成能が大幅かつ特異的に抑えられた。機構的には、正常なPTENは、GSK3βを介したCHD1デグロンドメインのリン酸化を誘発することで、β-TrCPを介したユビキチン化–プロテアソーム経路によるCHD1の分解を促進する。逆に、PTENの欠失は、CHD1を安定化することで、ヒストンH3リシン4のトリメチル化修飾を促し、腫瘍発生促進性のTNF–NF-κB遺伝子ネットワークの転写を活性化する。本研究は、がんにおける新規のPTEN経路を明らかにし、特定のがん抑制因子が欠失しているがんでの「追跡可能な」標的を発見するための枠組みを提供する。

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