Letter

地球科学:大酸化事変時における好気的な窒素循環の開始

Nature 542, 7642 doi: 10.1038/nature20826

初期地球における酸素濃度の上昇(約24億年前)によって、窒素循環など、全球的な一次生産力の制御に重要な海洋の栄養循環の再構成が生じた。しかし、現在の地球化学的記録は、酸素化に対する生物地球化学的な応答の性質とタイミングを直接扱うには、時間分解能が不十分である。今回我々は、海洋の酸化還元化学の記録と、地球における大気中酸素濃度の最初の上昇(大酸化事変)の初期段階で堆積した、南アフリカのRooihoogte累層とTimeball Hill累層の約23億1000万年前の頁岩から得られた窒素同位体(15N/14N)の値を関連付ける。今回のデータによって、15N/14Nの時間的な記録における約4億年の空白が埋まり、広範囲の好気的な海洋窒素循環の出現を示す証拠が得られる。今回の窒素同位体データを、鉄の存在形態と炭素同位体データに照らして解釈すると、化学合成独立栄養生産によって栄養を得る一次生産力と、新たに利用可能になった海洋酸化体を利用する窒素減損過程に支配される窒素循環を伴う、動的な酸化還元境界をまたぐ生物地球化学的循環が示唆される。この化学層序的傾向から、海洋の酸素化に伴って硝酸塩が広範囲に利用可能になり始めた時期が絞り込まれる。海洋の硝酸塩の増加によって、硝酸塩を利用するシアノバクテリアや、真核植物プランクトンが急速に多様化し増殖できるようになった可能性がある。

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