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がん:Her2+乳がんにおける初期播種と転移の機構
Nature 540, 7634 doi: 10.1038/nature20609
転移はがん関連死の主要な原因であり、転移性病変は休眠状態を維持できる播種されたがん細胞(DCC)から生じる。転移を開始する細胞は、進行した浸潤性の腫瘍内に存在する一部の細胞集団に由来すると考えられている。しかし、乳がん転移が見られる前の患者で検出されるDCCは、原発性腫瘍や、転移後の患者のDCCよりも遺伝的異常が少ない。これらの結果と、膵臓がんや黒色腫のモデルでの結果は、播種が腫瘍進化の初期段階で起きている可能性を示している。しかし、初期播種がん細胞(eDCC)が転移の全段階を完了できるようにしている機構については不明である。本論文で我々は、明確な原発性腫瘍塊が見られる前のマウスの初期病変に、浸潤能を持ち標的器官へ広がることができるHer2+p-p38lop-Atf2loTwist1hiE-cadlo初期がん細胞の亜集団が存在することを示す。初期病変の生体内画像化法とオルガノイド研究により、Her2+ eDCC前駆細胞が局所的に浸潤し、血管内に侵入して、標的器官にとどまることが分かった。Her2+ eDCCは、Wnt依存的な上皮間葉転換(EMT)様の播種プログラムを活性化させたが、上皮表現型を完全には失わず、これは、Her2あるいはWntの抑制により回復した。特に、eDCCの大半はTwist1hiE-cadloで休止状態にあるが、最終的には転移を開始させたことは重要である。今回の研究は、Her2が乳管の分枝に類似したプログラムを異常に活性化させてeDCCを産生し、そのeDCCが休止期後に転移巣を形成できるようになるという初期播種機構の1つを明らかにしている。

