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免疫学:NLRC3はがんにおけるPI3K–mTOR経路の抑制性センサーである
Nature 540, 7634 doi: 10.1038/nature20597
NLR(nucleotide-binding domain and leucine-rich repeat)ファミリーは細胞質センサーの大規模なファミリーに属し、非常に多様な生物学的機能を調節している。これらの機能の1つに感染症に対する免疫への関与があり、NLRファミリーの機能的活性の異常調節は炎症性疾患や自己免疫疾患の発症につながる。NLRファミリーをはじめとする細胞質の自然免疫センサーは、腸の恒常性の中心的な調節因子である。NLRC3(別名CLR16.2、NOD3)は、ロイシンリッチリピート(LRR)とヌクレオチド結合ドメインを持つタンパク質をコードする遺伝子を探索するゲノムスクリーニングで明らかになった、NLRファミリーに属するタンパク質であるが、その特徴はよく分かっていない。大腸がん患者でのNLRC3の発現は、健常組織と比較して腫瘍組織で激減していることから、このセンサーががんの発症においてまだ明らかになっていない機能を担っている可能性が見いだされている。今回我々は、NLRC3欠損マウスが、大腸炎および大腸の腫瘍発生に非常に高感受性であることを示す。NLRC3の影響は腸細胞で最も大きく、腸細胞ではmTORシグナル伝達経路の活性化を阻害して、細胞の増殖や幹細胞からのオルガノイド形成を抑制した。NLRC3はPI3Kと結合し、増殖因子受容体群あるいはToll様受容体4へのリガンド結合に続いて起こるPI3K依存性キナーゼのAKTの活性化を阻止する。これらの知見は、NLRC3がmTOR経路の抑制因子として重要な役割を担っており、大腸がんに対する防御を仲介していることを明らかにしている。

