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構造生物学:サルモネラのT3Sインジェクチソーム基部のニア原子分解能低温電子顕微鏡解析
Nature 540, 7634 doi: 10.1038/nature20576
III型分泌(T3S)インジェクチソームは特化したタンパク質ナノマシンであって、ペスト、腸チフス、百日咳、性感染症、主要な院内感染を媒介するものなど、多くのグラム陰性細菌の病原性に重要である。この注射器型で3.5 MDaの高分子集合体は、細菌膜と感染相手の宿主細胞膜の両方にまたがる構造を持つ。インジェクチソームが形成する内部チャネルが、一部がほどけた毒性エフェクターの宿主細胞質への直接輸送を可能にしている。インジェクチソームの構造基盤は基部(basal body)である。これは3つのタンパク質が主となって作り出す分子ロックナット構造で、多数のオリゴマーが内膜と外膜を貫通する同心円状のリングを形成している。今回我々は、ネズミチフス菌(Salmonella enterica serovar Typhimurium)SPI-1(Salmonella pathogenicity island 1)の典型的な基部の単粒子低温電子顕微鏡を用いて決定された構造を示す。内膜リングオリゴマーは4.3 Å、外膜リングオリゴマーは3.6 Åの分解能で構造が決定された。この研究は、セクレチンとして知られる外膜入口の広範に見られる構成成分など、集合状態にある基部の主要な構成成分を高分解能で精査した、我々が知るかぎりで初めての結果である。

