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構造生物学:リボソームDNA遺伝子を転写中のRNAポリメラーゼIの構造
Nature 540, 7634 doi: 10.1038/nature20561
RNAポリメラーゼI(Pol I)は連続移動性が非常に高い酵素で、リボソームDNA(rDNA)を転写し、真核細胞の増殖を調節する。出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)の遊離状態のPol Iの結晶構造から、この酵素は「連結」エレメントによって安定化された二量体で、広がった裂け目の中に不活性なコンホメーションにある活性中心が含まれることが分かっている。中央の架橋の役割を果たすヘリックスはほどけていて、Pol I特異的な「拡大」エレメントが鋳型DNA結合部位を占有している。しかし、転写中の活性なコンホメーションを採ったPol Iの構造はまだ解明されていない。一方Pol IIとPol IIIについては、鋳型DNA、転写産物RNAと結合した構造が解明されている。今回我々は、転写中の活性な出芽酵母Pol Iの構造を2種類の低温電子顕微鏡法によって解明した。分解能3.8 Åの単一粒子構造から、縮小した裂け目の活性中心にDNAとRNAが結合していることと、活性部位の下側の小孔が狭くなっており、A12.2サブユニットのRNA切断促進ドメインが入らなくなっていることが明らかになった。細胞のrDNAを転写中のPol Iの低温電子断層撮影法によって決定された分解能29 Åの構造からも裂け目の縮小が確認され、Pol Iに入るrDNAとPol Iから出るrDNAの作る角度が約150°であることが分かった。これらの構造から、ポリメラーゼの縮まったコンホメーションが活性な状態に、広がったコンホメーションが不活性な状態にそれぞれ対応するという、転写伸長調節のモデルが考えられる。

