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生物地球化学:水収支が全球規模の土壌pHのしきい値を生み出す
Nature 540, 7634 doi: 10.1038/nature20139
土壌pHは、土壌が栄養素を蓄え供給する容量を調節しており、陸上生態系の生産性の制御に大きく寄与している。しかし土壌pHは、土壌肥沃度の独立した調節因子ではなく、むしろ究極的には環境強制力によって制御されている。特に、水収支のわずかな変化によって、自然の気候勾配をまたいで土壌がアルカリ性から酸性へ急激に変化する。この土壌pHのしきい値を支配する過程はよく分かっているが、全球規模では地形や鉱物学的性質の効果によって気候の影響が不明瞭になっている可能性があるため、そのしきい値は定量化されていない。今回我々は、広範に収集した6万291の土壌pHの測定値から空間的にランダムにサンプルを抽出して(n = 2万)、水収支と土壌pHの全球的な関連性を評価した。その結果、年平均降水量が年平均可能蒸発散量を超え始めたところで、土壌pHがアルカリ性から酸性へ急激に変化することが分かった。我々は、この全球パターンからの偏差を評価し、こうした偏差が、季節性、気候史、浸食、鉱物学的性質に起因している可能性を示す。今回の結果は、気候によって土壌溶液の化学的性質の非線形パターンが全球規模で生じていることを実証しており、現在の気候との平衡状態から外れたpHを土壌が維持する条件も明らかにしている。

