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進化遺伝学:ホモ・サピエンスに特異的な遺伝子ファミリーと染色体16p11.2のCNV感受性の出現

Nature 536, 7615 doi: 10.1038/nature19075

ヒトの進化の特異な側面を規定する遺伝的な差異は、通常、ヒトのゲノムと、ごく最近の古代ヒト族のゲノムを含む非常に近縁な霊長類のゲノムとの比較解析によって明らかにされている。しかし、こうした解析にゲノムの全領域が等しく適しているわけではない。染色体16p11.2に頻発するコピー数変動(CNV)は、自閉症の症例の約1%の主要因であり、このCNVには一群の複雑なセグメント重複が関与していて、その多くはヒト進化の過程で最近生じたものである。今回我々は、この座位の進化史を再構築し、BOLA2(bolA family member 2)がホモ・サピエンス(Homo sapiens)のみで重複している遺伝子であることを突き止めた。BOLA2を含む95キロ塩基対のセグメントは、約28万2000年前に、自閉症の重要領域をまたいで重複したものと推定された。この重複は、ヒト族の進化過程でこの座位を劇的に再構築した一連のゲノム変化の中でも最も新しいものの1つである。調べた全てのヒトがこの重複を1コピー以上持っており、この重複はヒト系統の初期にほぼ固定されていた。これほど急速な固定パターンが、選択が働かずに生じた可能性は低い(P < 0.0097)。BOLA2の重複は、ヒト特異的な新規のインフレーム融合転写産物の生成につながり、BOLA2のコピー数は、RNA発現レベルとタンパク質レベルの両方と相関(それぞれr = 0.36、r = 0.65)することが分かった。また、実験的に誘導した幹細胞では、ヒトとチンパンジーの間でBOLA2の発現レベルの差が最大となった。染色体16p11.2の再編成がある152人の自閉症患者の解析から、このホモ・サピエンス特異的な重複領域内に切断点の96%以上があることが明らかになった。総合すると、ホモ・サピエンス系統の祖先で約28万2000年前に起こったBOLA2の重複転位によって、鉄の恒常性に関連する遺伝子のコピー数が増加したのと同時に、疾患に関連する頻発性の再編成が我々ホモ・サピエンスに起こりやすくなった。

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