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量子光学:光共振器中の単一原子による光子–光子量子ゲート

Nature 536, 7615 doi: 10.1038/nature18592

2つの光子が互いに影響を及ぼさず自由空間を行き交うことは、忠実な情報伝送では理想的なものの、光子間の相互作用は妨げられる。しかし、多くの光量子情報処理の応用では、そうした相互作用が必要である。ここでの長年にわたる課題は、決定論的光子–光子ゲート、すなわち光子の量子状態に対する相互制御型の論理演算を実現することである。これには、2個の光子おのおのが他の光子の位相をπラジアンだけシフトできるほどの強い相互作用が必要となる。この操作は、偏光キュービットでは、1光子の偏光を直交する量子状態へと条件付きで反転させることに相当する。これまでは、「この条件付き位相シフトを実行できるだけの強い光学非線形性を持つことが知られている物質や予想される物質がなかった」ため、線形光学と光検出器に基づく確率的ゲート操作しか実現されていなかった。一方、量子非線形系の開発では極めて大きな進歩があり、単一光子実験の新たな可能性が開かれている。プラットフォームは、原子集団のリュードベリブロッケードから、単一原子の共振器量子電気力学まで広範にわたる。これまで単一光子スイッチやトランジスター、2光子ゲートウェイ、非破壊光子検出器、光子ルーター、非線形位相シフターといった応用が実証されているが、理想的な情報媒体である識別可能なモードの光キュービットはいずれにも伴っていない。今回我々は、高フィネス光共振器中の単一原子から生じる強い光–物質結合を用いて、Duan–Kimbleプロトコル、すなわち普遍的な制御位相フリップ(π位相シフト)光子–光子量子ゲートを実現した。我々は(76.2 ± 3.6)%の平均ゲート忠実度を達成し、特に条件付き偏光反転や、独立した入力光子間のエンタングルメント形成が可能であることを実証した。この光子–光子量子ゲートは、普遍的な量子論理素子であることから、既存の2光子演算の大半を実行できる可能性がある。このように光量子情報処理のための決定論的プロトコルの実現可能性が実証されたことから、特に長距離量子通信やスケーラブル量子計算といった光子が重要な役割を果たす分野で、新しい応用がもたらされるかもしれない。

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