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植物科学:ジャスモン酸シグナル伝達の際に起こるJAZによるMYC転写因子抑制の構造的基盤

Nature 525, 7568 doi: 10.1038/nature14661

植物ホルモンであるジャスモン酸は植食性昆虫や微生物病原体に対する植物の応答の調節に重要な役割を果たしており、また植物の成長および発生の重要な調節因子である。ジャスモン酸シグナル伝達の重要なメディエーターにはMYC転写因子が含まれていて、これらは静止状態では転写リプレッサーのJAZ(jasmonate ZIM-domain)によって抑制されている。活性のあるジャスモン酸が存在すると、JAZタンパク質はCOI1(SCF型E3ユビキチンリガーゼのFボックスタンパク質サブユニット)とホルモン依存性複合体を形成することによりジャスモン酸共受容体として機能するようになる。このホルモン依存性のCOI1–JAZ共受容体複合体の形成は、リプレッサーとして働いていたJAZのユビキチン化とプロテアソーム依存的な分解につながり、MYCタンパク質が転写抑制から解放される。JAZタンパク質がMYC転写因子を抑制する機序、またJAZタンパク質がホルモン非存在時の抑制機能とホルモン存在時の共受容体機能を切り替える仕組みは不明であった。今回我々は、シロイヌナズナ(Arabidopsis)のMYC3がJAZ9リプレッサーの保存されたJasモチーフに結合すると著しいコンホメーション変化を起こすことを示す。Jasモチーフは、以前の研究では部分的にほどけたヘリックスとしてホルモンと結合することが示されていたが、実際には完全なαヘリックスを形成して、MYC3のアミノ(N)末端のヘリックスを変位させてMYCのN末端の折りたたみ構造の構成部分となっている。この位置にあるJasヘリックスは、転写メディエーター複合体のMED25サブユニットとMYC3との相互作用を拮抗的に阻害するようになる。我々の構造および機能研究から、主要な植物ホルモン経路の抑制と活性化を支配する動的な切り替えの分子機序が明らかになった。

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