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細胞生物学:誤った移行先に送られたミトコンドリアタンパク質は細胞質ゾルでタンパク質恒常性応答を活性化する

Nature 524, 7566 doi: 10.1038/nature14951

ミトコンドリアのプロテオームの大部分は核の遺伝子から生じており、細胞質ゾルで合成されてからミトコンドリアに輸送される。タンパク質の取り込みや選別の特異性を維持する複雑な装置には、前駆体タンパク質のミトコンドリアマトリックスへの移動を担うTIM23トランスロカーゼや、膜間腔タンパク質の生合成に必要とされる装置のMIA(mitochondrial intermembrane space import and assembly)などがある。ミトコンドリアタンパク質選別経路の機能が障害されると、特定の基質タンパク質が減少するのに続いて、ミトコンドリアの全体的な病変や生物体の死が起こる。細胞質ゾルでのミトコンドリアタンパク質前駆体の蓄積により引き起こされる細胞応答はほとんど知られていない。今回我々は、ミトコンドリア内へのタンパク質移行の不具合や前駆体タンパク質過剰蓄積ストレスに応答して、細胞のトランスクリプトームおよびプロテオームで起こる変化の包括的全体像を示す。細胞をミトコンドリアの生合成の不具合から守るための複数の経路が突き止められ、こうした防御はタンパク質合成の阻害および細胞タンパク質の除去を行う主要な装置であるプロテアソームの活性化によっていることが分かった。プロテアソームの活性は、細胞質ゾルに誤って局在化されたミトコンドリアタンパク質前駆体の量に比例して調節される。我々は、タンパク質の誤った移行によって活性化されるこの種の異常タンパク質応答、すなわちUPRam(unfolded protein response activated by mistargeting of proteins)は細胞にとって有益であると考えている。UPRamはミトコンドリアでのタンパク質取り込みの生理的な減速の結果として生じる事態を緩衝し、またミトコンドリア機能障害が引き起こす、あるいは関与している病変を抑える手段となる。

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