Letter
フォトニクス:X線自由電子レーザーにより励起した1.5オングストローム波長の原子内殻レーザー
Nature 524, 7566 doi: 10.1038/nature14894
可視光領域で最初のレーザーが発明されて以来、レーザー開発研究はX線の短波長化を目指している。それは、波長が短くなると、レーザーでの計測分解能がよくなり、短パルス化も可能となるので、プローブ測定においてより良い時間分解能が得られるからである。最近、自己増幅された自然放出方式の自由電子レーザーによって、オングストローム波長領域の硬X線(すなわち、光子エネルギーが10 keVのオーダー)のレーザーを生成できるようになり、このX線を用いて、超高速のX線分光法からX線量子光学までの分野の進展が可能になった。一方、軟X線(すなわち、光子エネルギーが1 keV以下)の自由電子レーザーにより励起した原子準位レーザーがネオン原子を使って14 nmの波長で実現されている。本論文では、銅ターゲットを使った、1.5 Åの波長で作動する硬X線内殻原子レーザーを報告する。強度が平方センチメートル当たり約1019ワットのX線自由電子レーザーを銅K吸収端に調整すると、十分な反転分布が起こり、銅Kα線に強い増幅された自然放出の発生が確認された。さらに、我々はこのX線自由電子レーザーを2色モードで作動させ、1つは励起用に、もう1つはレーザーのシード(種となる光)用とした。

