Letter
ナノ材料:ナノ結晶超格子における置換ドーピング
Nature 524, 7566 doi: 10.1038/nature14872
ドーピングは、ホスト材料に意図的に原子不純物を添加して材料特性を変化させる過程である。半導体などでの応用を目的として電子特性、磁気特性、発光特性、触媒特性の調節や導入を行う際に、ドーピングは革新的な影響を及ぼしてきた。今回我々は、原子置換ドーピングの概念をナノメートルスケールの結晶ドーピングにまで拡張することを探求し実証する。この結晶ドーピングでは、ナノ結晶を別のナノ結晶で置き換えることによって、ドーピングされた自己集合超格子が形成される。この目標に向けて、我々は、セレン化カドミウムナノ結晶またはセレン化鉛ナノ結晶でできた超格子ホストにおいて、金ナノ結晶の大きさがホストのナノ結晶に極めて近い場合、金ナノ結晶が置換ドーパントとなることを示す。金ナノ結晶は、超格子中でランダムな位置を占め、その密度は広範囲にわたって容易に調節できる。これは原子ドーピングと似ているが、今回の結晶ドーピングでは、ナノ結晶の自己集合を通して密度が調節される。さらに我々は、超格子の電子特性が金ナノ結晶ドーパントの存在と密度に強く影響され、大幅に調節できることも示している。例えば、セレン化鉛膜の導電率は、金ナノ結晶を添加することによって少なくとも6桁にわたって操作でき、パーコレーションモデルによって説明される。この過程は、サイズのそろったナノ結晶の自己集合を利用するため、電子材料、光学材料、磁性材料、触媒材料用として多種多様なナノ結晶ドープ構造体の形成に広く適用できる。

