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化学:臭化アリールとアリールトリフラートの多金属触媒クロスカップリング

Nature 524, 7566 doi: 10.1038/nature14676

遷移金属触媒を用いて新しい炭素–炭素結合を形成する手法の出現によって、有機化学の分野に革命が起こり、配位子や材料、生物活性分子の高効率合成が可能になった。1つの金属で選択的変換や高効率変換を促進できない場合、代わりに異なる2つの触媒の相乗的協同作用、すなわち多金属触媒作用を利用することができる。オレフィンのワッカー酸化やアルキンとハロゲン化アリールの薗頭カップリングなど、多くの重要な反応が多金属触媒作用に頼っているが、この手法は主として反応性の異なる金属の使用に限られており、片方の金属触媒だけが酸化的付加を受ける。今回我々は、2つの10族金属触媒、すなわち(ビピリジン)ニッケルと(1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)パラジウムの協同性によって、一般的なクロス・ウルマン反応(2つの異なるアリール求電子剤のカップリング)が可能になることを実証する。我々の方法では、臭化アリールとアリールトリフラートを直接カップリングするため、アリール金属試薬が不要になり、直接アリール化法に求められる複数の炭素–水素結合を区別するという難題が回避される。どちらかの基質を過剰にしなくても選択性を実現でき、この選択性は2つの触媒の直交反応性と2つのアリール金属中間体の相対的安定性に起因する。(1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)パラジウムは優先的にアリールトリフラートと反応して安定中間体をもたらす一方で、(ビピリジン)ニッケルは優先的に臭化アリールと反応して過渡的な反応性中間体を形成する。片方の触媒だけでは、5%未満のクロスカップリング生成物しか形成されないが、両方の触媒を合わせて用いると最高で94%の収率を達成できる。今回結果は、ビアリール、ヘテロアリール、ジエンを合成する新しい手法と、2つの金属触媒間での選択的配位子移動の一般的機構を明らかにしている。現在医薬品の多くが事前調製された有機金属試薬を用いて合成されているが、我々は、今回の反応によって、そうした医薬品合成が単純化されるばかりでなく、新しい多金属反応の発見につながることを期待している。

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