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構造生物学:完全なウイルス粒子中の未成熟HIV-1キャプシドの分解能8.8 Åでの構造

Nature 517, 7535 doi: 10.1038/nature13838

ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)の組み立ては2段階で進む。最初に、55キロダルトンのウイルスGagポリタンパク質が感染細胞の細胞膜で六量体タンパク質格子に組み立てられ、これが未成熟粒子の出芽と放出につながる。次に、Gagがウイルスプロテアーゼによって切断され、ウイルス内部の再編成が起こって感染能を持つ成熟型のウイルスが生じる。未成熟HIV-1粒子と成熟HIV-1粒子はサイズや形が不均一で、それが従来からある構造生物学的方法を使って、in situでのタンパク質編成を高分解能で解析することを妨げてきた。今回我々は、低温電子線トモグラフィーと部分トモグラム平均化法を使って、完全な未成熟HIV-1粒子中のキャプシド格子の構造をサブナノメートル分解能で解き、これによって全てのαヘリックスの明確な位置決定が可能になった。得られたモデルから、HIV-1組み立てに関わる三次および四次構造相互作用が明らかになった。意外にも、このような相互作用はマソン・ファイザー・サルウイルスから得られたGag由来タンパク質のin vitroで組み立てられた格子に基づく現行のモデルから予測されていたものとは異なっている。この違いを実証するため、我々は完全な未成熟マソン・ファイザー・サルウイルス粒子中のキャプシド格子の構造を解いた。未成熟HIV-1構造との比較から、レトロウイルスのキャプシドタンパク質は、保存された三次構造を持つにもかかわらず、ウイルス組み立て中に多様な四次配置をとることが明らかになった。今回使われた方法は、不均一な環境内にある他のタンパク質のサブナノメートル分解能での構造決定に適用できると考えられる。

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